経理社員を採用するのと経理代行は、どちらが安い?
- 17 時間前
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「経理社員を1人採用するべきか、経理代行に依頼するべきか迷っている」
「毎月の費用だけでなく、年間でどれくらい差が出るのか知りたい」
経理担当者の退職や、社長自身の経理負担をきっかけに、このような比較をする会社は少なくありません。
先に結論をお伝えすると、毎月の経理業務がフルタイム1人分に満たない中小企業では、経理代行のほうが安くなりやすいです。
一方で、社内で毎日対応する仕事が多く、複数の部署との調整や細かな判断が常に必要な会社では、経理社員を採用したほうが合う場合があります。
大切なのは、給与と経理代行の月額料金だけを比べないことです。採用では社会保険、採用費、教育、備品、退職時の再採用なども発生します。経理代行では初期費用や追加料金、自社に残る業務も確認する必要があります。
この記事では、経理社員と経理代行の年間コスト、向いている会社の違い、比較するときの注意点をわかりやすく解説します。
経理社員と経理代行は、業務量が少ないほど経理代行が安くなりやすい
経理社員は、毎月決まった給与を支払う固定費です。仕事が多い月も少ない月も、基本的な人件費は変わりません。
経理代行は、記帳件数、従業員数、請求書の発行件数、依頼する業務の範囲などに応じて料金が決まります。必要な業務だけを依頼できるため、経理の仕事がフルタイム1人分に満たない会社では、費用を抑えやすくなります。
たとえば、毎月の経理業務が30時間しかない会社が、経理社員を1人採用するとします。残りの時間に任せる仕事がなければ、人件費に対して仕事量が少ない状態になります。
このような場合は、記帳、請求書発行、給与計算、入金確認など、負担の大きい業務だけを外注したほうが合理的です。
反対に、毎日多くの伝票が発生し、各部署からの質問対応、予算管理、原価管理、会議資料の作成なども必要であれば、社内に経理社員がいるメリットが大きくなります。
経理社員を1人採用すると、給与以外にどのような費用がかかる?
経理社員の採用コストを考えるときは、求人票に記載する月給だけでは判断できません。
会社が負担する主な費用は、次のとおりです。
給与と賞与
会社負担分の健康保険と厚生年金保険
雇用保険と労災保険
通勤手当や各種手当
求人広告や人材紹介会社の費用
パソコン、デスク、会計ソフトなどの費用
入社後の教育と引継ぎにかかる時間
健康診断や福利厚生の費用
残業代や休日出勤手当
退職した場合の再採用費用
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、経理事務の求人賃金は全国平均で月額25.2万円、就業者の賃金は年収512.2万円です。求人賃金と実際の年収には差があり、経験、地域、会社規模、賞与などでも変わりますが、採用予算を考えるときの参考になります。
また、厚生年金保険料率は18.3%で、事業主と従業員が半分ずつ負担します。協会けんぽの2026年度の健康保険料率は東京都9.85%、神奈川県9.92%で、こちらも原則として会社と従業員で負担します。
つまり、月給30万円の社員を採用した場合、年間給与360万円だけで終わるわけではありません。会社負担分の社会保険などを加えると、賞与、採用費、通勤手当、備品代を含める前でも、年間400万円を超える可能性があります。
月給30万円で経理社員を採用する場合の年間コスト例
月給30万円、賞与なしの経理社員を採用するケースで考えてみます。
年間給与:30万円×12か月=360万円
会社負担分の厚生年金:年間約32万9,000円
会社負担分の健康保険:年間約17万7,000円から約17万9,000円
会社負担分の雇用保険:年間約3万1,000円
これだけでも、年間約414万円です。
実際には、労災保険、子ども・子育て拠出金、対象者の介護保険、通勤手当、健康診断、パソコン、会計ソフトなども必要です。賞与を支給する場合は、賞与とその社会保険料も加わります。
また、人材紹介会社を利用する場合や、求人広告を何度か掲載する場合は、採用時にまとまった費用がかかります。入社後すぐに一人で任せられるとは限らないため、社長や前任者が教育する時間も見ておく必要があります。
そのため、月給30万円の社員を1人採用する場合でも、採用費や賞与などを含めると、年間450万円を超えるケースがあります。
※上記は2026年度の保険料率をもとにした概算です。年齢、加入する健康保険、標準報酬月額、業種、手当、賞与などによって実際の金額は変わります。
経理代行の年間コストはどのくらい?
経理代行の料金は、依頼する業務の範囲によって変わります。
一般的な目安は、次のとおりです。
記帳だけを依頼する:月額5,000円~3万円程度
記帳に加えて、給与計算や請求書発行なども依頼する:月額3万円~10万円程度
日常経理の大部分や資金繰り管理まで依頼する:月額10万円以上
たとえば、月額5万円なら年間60万円、月額10万円なら年間120万円です。初期設定費用や会計ソフト代、件数を超えた場合の追加料金などが別にかかることもあります。
経理社員の年間コストを450万円、経理代行を年間120万円とすると、差は年間330万円です。
ただし、この金額だけで「経理代行のほうが必ず得」とは言えません。経理社員が社内で行う細かな確認、各部署との調整、稟議、最終承認などは、外注後も会社側に残る場合があります。
経理代行の費用と業務範囲については、「経理代行の費用相場はいくら?月額料金はどう考えるべき?」でも詳しく解説しています。
経理代行のほうが安くなりやすい会社
次のような会社は、経理社員を採用するより、経理代行のほうが費用を抑えやすいです。
経理業務がフルタイム1人分に満たない
記帳、請求、給与計算などを合計しても、毎月の作業時間が少ない会社です。
社員を1人採用すると、仕事が少ない月も固定の人件費が発生します。必要な業務だけを外注すれば、業務量に合わせて費用を調整できます。
経理担当者の採用と教育に時間をかけられない
経理経験者を採用しても、自社の取引内容、会計ソフト、請求方法、支払ルールを覚えてもらう必要があります。
社長や他の社員が教育する時間を確保できない会社は、決められた業務をすぐに引き継げる経理代行が向いています。
経理担当者の退職リスクを減らしたい
一人経理の会社では、担当者が退職すると、支払い、給与、請求、入金確認が止まる可能性があります。
複数人で対応する経理代行会社であれば、担当者が休んだ場合も別の担当者が対応できる体制を取りやすくなります。契約前に、担当者不在時のバックアップ体制を確認しましょう。
繁忙期と閑散期の差が大きい
毎月の業務量が大きく変わる会社も、外注と相性がよいです。
通常月は必要最低限の業務だけを依頼し、決算前や繁忙期だけ依頼範囲を広げられる場合があります。
記帳以外の専門的な業務も任せたい
資金繰り表の作成、部門別損益の管理、銀行提出資料の整理などは、一般的な経理事務より広い知識が必要です。
このような業務を1人で対応できる人材を採用すると、給与水準が上がる可能性があります。経理代行会社のチームに必要な業務だけ依頼できれば、採用より費用を抑えられることがあります。
経理社員を採用したほうがよい会社
経理代行がすべての会社に向いているわけではありません。
次のような会社は、社内で経理社員を採用するメリットがあります。
毎日、社内で対応する経理業務が多い
現金の受け渡し、紙の伝票処理、各部署からの問い合わせ、急な支払いなどが毎日発生する会社です。
その都度、社内の状況を確認して判断する必要があるため、常に社内に担当者がいたほうが早く進みます。
経理以外の管理業務も任せたい
総務、人事、労務、契約書管理、備品管理などもまとめて任せたい場合は、社員を採用したほうが仕事を組み合わせやすくなります。
ただし、業務範囲が広すぎると、経理が後回しになることがあります。月次処理や支払業務の締め切りを明確にすることが必要です。
社内に知識を長く残したい
特殊な原価計算、案件別の収支管理、複雑な社内ルールがある会社では、社内の経理社員が継続して経験を積むことに価値があります。
経理代行を利用する場合も、業務マニュアルや判断基準を共有し、会社側に情報が残るようにしておくことが大切です。
フルタイム1人分以上の仕事が安定してある
経理だけで毎月十分な仕事量があり、今後も増える見込みがある会社です。
外注する業務が多すぎると、件数に応じた料金が上がり、社内で採用した場合との差が小さくなることがあります。
費用だけでなく、経理が止まるリスクも比較する
経理社員と経理代行を比較するときは、通常時の費用だけでなく、経理が止まる可能性も確認します。
経理社員が1人だけの場合、体調不良、長期休暇、退職があると、その人しかわからない業務が止まることがあります。新しい社員を採用しても、引継ぎが完了するまで時間がかかります。
一方、経理代行でも、担当者1人だけで対応する会社や、業務マニュアルが整っていない会社では、同じ問題が起こる可能性があります。
比較するときは、次の点を確認しましょう。
担当者が休んだときに代わりの人が対応できるか
業務内容や判断ルールが文書になっているか
会計ソフトや資料に会社側もアクセスできるか
契約終了時にデータと業務マニュアルを受け取れるか
支払日、給与日、請求日などの重要な期限が共有されているか
安さだけでなく、経理を継続できる仕組みまで含めて判断することが重要です。
経理社員と経理代行を組み合わせる方法もある
採用か外注かを、どちらか一つに決める必要はありません。
社内に経理担当者を置きながら、作業量の多い業務や専門的な業務だけを外注する方法もあります。
たとえば、次のような分担です。
社内:請求金額の確定、経費の承認、振込の最終承認
経理代行:記帳、請求書発行、入金確認、給与計算
社内:各部署への確認、経営判断
経理代行:月次資料、資金繰り表、部門別損益の作成
この方法なら、社内に必要な判断業務を残しながら、経理社員の残業や退職リスクを減らせます。
すでに経理社員がいる会社も、すぐに雇用をやめる必要はありません。負担が大きい業務から外注し、社員には確認、改善、経営資料の作成など、社内でしかできない仕事を任せる方法があります。
経理代行に依頼できる業務については、「経理代行とは、具体的に何をしてくれるサービス?」も参考にしてください。
採用か経理代行かを判断する5つの質問
最後に、判断するときの質問をまとめます。
1.毎月の経理業務は何時間あるか
記帳、請求、入金確認、給与計算、支払い、資料作成にかかる時間を洗い出します。
フルタイム1人分に満たない場合は、外注を検討しやすくなります。
2.社内で毎日対応しなければならない業務はあるか
現金管理や紙の伝票、急な支払いなど、外部では対応しにくい業務を確認します。
3.社員に経理以外の仕事も任せる予定があるか
総務や人事などを含めて十分な仕事量があるなら、社員採用が合う可能性があります。
4.退職や長期休暇があっても経理を続けられるか
一人に集中している業務を確認し、代わりに対応できる人や会社がいるかを確認します。
5.月次の数字を何に使いたいか
申告のための記帳だけでよいのか、資金繰り、融資、部門別損益、経営判断まで使いたいのかを整理します。
必要な水準によって、採用する人材の経験と給与も、経理代行へ依頼する範囲も変わります。
横浜・東京 経理代行ステーションでは採用前の比較もご相談いただけます
横浜・東京 経理代行ステーションでは、現在の経理業務を確認し、社員を採用する場合と経理代行を利用する場合の業務範囲を整理します。
記帳だけでなく、給与・賞与計算、請求書発行、売掛金管理、振込代行、資金繰り管理、融資・銀行対応など、必要な業務に合わせてお見積もりします。
また、最低価格保証を掲げています。他社の見積もりをお持ちの場合も、同じ条件にそろえて比較できます。
「経理社員を採用する前に、外注した場合の費用を知りたい」
「経理担当者が辞めるため、採用と経理代行のどちらがよいか相談したい」
「現在の経理業務が、毎月何時間かかっているのかわからない」
このような場合は、無料相談をご利用ください。
経理社員と経理代行に関するよくある質問
経理代行は社員より必ず安くなりますか?
必ず安くなるわけではありません。経理業務がフルタイム1人分に満たない会社では安くなりやすい一方、毎日の社内対応や複雑な管理業務が多い会社では、社員を採用したほうが合う場合があります。
経理代行へすべての業務を任せられますか?
記帳、請求書発行、給与計算、入金確認、支払データの作成などは依頼できます。ただし、請求金額の決定、勤怠の承認、振込の最終承認、社内での事実確認などは会社側に残ることがあります。
経理社員がいる会社でも経理代行を利用できますか?
利用できます。記帳や給与計算などの定型業務を外注し、社員には社内調整、チェック、業務改善、経営資料の作成を任せる方法があります。
採用前に経理代行の見積もりを取ってもよいですか?
問題ありません。採用を決める前に、現在の業務量と依頼範囲を整理して見積もりを取ると、年間コストを比較しやすくなります。
経理代行へ切り替えるまで、どのくらいかかりますか?
資料の状態、利用中の会計ソフト、業務範囲によって変わります。記帳だけなら比較的短期間で始められますが、請求、給与、支払い、資金繰り管理まで含む場合は、締日や承認方法を整理する期間が必要です。
まとめ
毎月の経理業務がフルタイム1人分に満たない中小企業では、経理社員を採用するより、経理代行のほうが安くなりやすいです。
月給30万円の社員を採用する場合、年間給与は360万円です。会社負担分の社会保険だけでも年間約54万円が加わり、採用費、通勤手当、備品、教育、賞与などを含めると、年間450万円を超えるケースがあります。
経理代行は、月額5万円なら年間60万円、月額10万円なら年間120万円です。ただし、業務範囲、初期費用、追加料金、自社に残る作業を確認する必要があります。
比較するときは、次の点を整理しましょう。
毎月の経理業務の時間
社内で毎日行う必要がある仕事
給与以外を含めた年間の採用コスト
経理代行に依頼する業務と自社に残す業務
担当者が不在でも経理を続けられる体制
採用か外注か迷っている場合は、先に経理業務を一覧にし、同じ業務範囲で年間コストを比較することをおすすめします。
横浜・東京 経理代行ステーションでは、採用前の比較や、経理担当者の退職に伴う業務整理からご相談いただけます。経理社員の採用と経理代行で迷っている方は、無料相談をご利用ください。
参考資料
免責事項
本記事は、2026年8月時点の公表情報をもとに、一般的な情報を提供する目的で作成しています。特定の会社に対する税務、労務、法務その他の専門的な助言を行うものではありません。
社会保険料、採用費、経理代行の料金などは、会社の所在地、従業員の年齢、業種、契約内容などによって異なります。実際の手続きや費用については、社会保険労務士、税理士、各サービス提供会社などへご確認ください。
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