一人経理のリスク13選|突然辞めたらどうなる?中小企業が今すぐ備えるべき対策
- 恵 菅原
- 2 日前
- 読了時間: 12分
更新日:3 時間前

1. はじめに:「経理は一人で大丈夫」が危ない理由
「うちはずっと一人経理でやってきたし、特に問題は起きていない」
そう感じている経営者の方も多いかもしれません。
ですが、“問題が起きていない=安全”とは限りません。
むしろ、見えないリスクが静かに積み上がっている状態かもしれません。
🧱 一人経理の「よくある状態」
一人のベテラン社員にすべて任せている
経理の中身は経営者もよくわかっていない
引き継ぎやマニュアルはなく、暗黙のルールで回っている
表面上はスムーズに業務が流れているように見えても、実はそれらは**“個人の力量”に依存した不安定なバランス**の上に成り立っています。
🚨 急にその人が辞めたら?休んだら?
請求書が発行できない
銀行振込が止まる
給与計算ができない
会計ソフトのログイン情報が不明
そう、「経理が止まる」=「会社が止まる」のです。
「経理は一人でも大丈夫」から「一人だからこそ危ない」へ
多くの中小企業が、
「何も起きていない今のうちに、きちんと見直しておけばよかった」
と後悔します。
このあとご紹介するのは、一人経理体制の企業が抱える具体的な13のリスク。
読みながら、自社に当てはまる項目がないか、ぜひチェックしてみてください。
2. 一人経理体制の企業が抱える13のリスク
「人件費を抑えるため」「少人数で十分だから」——
そうして一人経理体制を選んでいる企業も多いでしょう。
しかしその体制、**実は“13の落とし穴”**を抱えているかもしれません。
以下のようなリスクが積み重なったとき、会社の運営そのものが揺らぎます。
① 突然の退職・休職による業務停止リスク
「明日から来ません」と連絡が来たら?
請求書、支払処理、給与計算…すべてが止まります。
しかも、代わりがいない状態が一番の問題です。
② 病気や家庭都合による突発的な離脱
インフルエンザ、コロナ、家族の介護、子どもの入院…。
いつ何が起きてもおかしくないのが現実です。
③ 属人化による業務のブラックボックス化
「この処理は○○さんしかわからない」
——それ、ブラックボックス化のサインです。
人に依存した経理体制は、見えないところで企業のリスクを増大させています。
④ 会計ソフトや銀行口座の情報が共有されていない
ログインID、パスワード、認証デバイス…
経営者が何も把握していないままというケースも珍しくありません。
これでは、万一のとき手も足も出ません。
⑤ 適正なチェック機能が働かない(内部統制の欠如)
人はミスをするもの。
ましてや一人で記帳・振込・チェックまで行っていれば、“見逃されるミス”が発生するのは当然です。
⑥ 記帳ミスや税務処理ミスの発見が遅れる
ミスに気づいたときには決算済み。
税務署からの連絡でようやく発覚、修正申告で時間とお金のロスに…というケースもあります。
⑦ 業務が忙しくなったときのリスク(繁忙期破綻)
決算、年末調整、インボイス、電子帳簿保存法…。
年に何度もやってくる繁忙期に、一人ではどうしても限界が来ます。
⑧ DX化・業務改善が進まない
ITツールやクラウド会計の導入など、新しい提案が出てこないまま、
“昔のやり方”が引き継がれ続けてしまうケースも多数。
⑨ 経営者が経理の中身を理解できていない
「数字は全部○○さんに任せている」状態では、
資金繰りや売上傾向を見誤り、経営判断に影響が出ることも。
⑩ 退職時の引き継ぎが不十分になる
たとえ時間があっても、引き継げる相手がいなければ意味がありません。
マニュアルもない、説明相手もいない——結局“ゼロから再構築”になります。
⑪ 外部とのやりとり(税理士・銀行等)が属人化している
社外の人も「○○さんしか知らない」状態。
突然いなくなれば、外部対応そのものが止まります。
⑫ スキル不足で経理処理の質が低い
経理が孤立していると、学ぶ機会がなくなり、知識が古くなる傾向も。
正しい処理ができていないまま、業務だけが積み重なっていく危険性があります。
⑬ 後継者が育たず、経理が“属人的な職人技”に
経理担当が長年かけて築いたスキルが次の世代に継承されないまま消える——
これが中小企業における“静かな危機”です。
ここまで読んで、「うちも危ないかも…」と感じた方。
次章ではチェックリスト形式で自己診断できるようにしました。
ぜひ一度、御社の経理体制を客観的に見つめてみてください。
3. 【チェックリスト】御社の経理、当てはまっていませんか?
ここでは、**一人経理体制が抱える“潜在的な危うさ”**を可視化するためのチェックリストをご用意しました。
下記の項目に**3つ以上当てはまったら要注意ゾーン、5つ以上なら“レッドゾーン”**です。
御社はいくつ該当しますか?
✅ 経理リスクチェックリスト(Yes/Noでチェック)
経理業務を担当しているのは1人だけで、他に把握している人がいない
経理のマニュアルや業務フローが存在しない
会計ソフトやネットバンクのログイン情報を経理担当者しか知らない
請求書の発行や給与計算が、いつもギリギリになっている
納税スケジュールや支払期限を、経理以外の誰も把握していない
税理士や銀行とのやり取りを経理担当がすべて担っている
経理担当が休むと業務が完全に止まってしまう
過去に経理ミスや申告漏れなどでトラブルになったことがある
経理担当者が「全部自分でやったほうが早い」と言っている
経営者が“今月の利益”や“資金繰り状況”をリアルタイムで把握できていない
業務改善やITツールの導入を提案してくれる人がいない
退職時の引き継ぎ計画がまったく立てられていない
経理の業務内容が担当者の頭の中にしかない(ドキュメントがない)
請求書や領収書、申告書等の各資料の保存先が分からない
💡 判定の目安
0〜2個: 現状は安定。ただし、突発的リスクに備えた仕組みづくりは検討を
3〜4個: 一部の属人化が進行中。マニュアル化や情報共有の整備を
5個以上: 業務停止やトラブルのリスク高。今すぐ体制の見直しを!
☑ チェックが多かった方へ
「いつか整えよう」
「そのうちマニュアル化しよう」
——そう思っている間に、経理トラブルはやってきます。
次章では、「では実際にどうしたらいいのか?」をわかりやすく解説します。
一人経理体制を見直すための具体的な対策を、一緒に見ていきましょう。
4. 一人経理体制を放置することで起こる“未来のトラブル”
「今のところ問題なくまわっているし、うちは大丈夫」
そう思っていても、“ある日突然”トラブルはやってきます。
ここでは、実際にあった事例を交えながら、一人経理体制を放置したことで起きたリアルなトラブルをご紹介します。
💣 ケース①:「退職代行からの一報」で業務がすべて停止
ある企業では、勤続10年の経理担当者から突然の退職連絡。
しかも連絡元は本人ではなく退職代行業者でした。
請求書の発行がストップ
請求データの場所もわからない
振込処理も滞り、取引先からのクレーム続出
給与計算も手つかず、社員の不満が爆発
結果、社長自らが1か月間、手探りで経理業務を対応せざるを得ず、本業に手が回らない状態に。
💥 ケース②:突然の体調不良で決算期に業務が麻痺
決算直前に経理担当者が急な入院。
マニュアルなし、処理内容不明、資料の保管場所すらわからない。
税理士からの連絡にも対応できず
決算が1か月遅延し、信用調査に悪影響
資金繰りの把握ができず、融資交渉に苦戦
「まさか」が「現実」になったとき、備えがあるかどうかで命運が分かれるのです。
🔥 ケース③:社内不正が数年にわたり発覚せず
一人経理に任せきりだったことで、
水増し経費や架空振込といった小さな不正が慢性化。
経営陣も、税理士も気づかず数年放置
監査時に発覚し、信頼失墜&刑事問題に
顧客離れ、従業員の不安増大、経営危機に発展
「うちは信頼してるから大丈夫」と思っていた企業ほど、不正に気づくのが遅れがちです。
💬 なぜ“トラブルが起きてから”では遅いのか?
引き継ぎが間に合わない
情報が担当者の頭の中にしかない
経営者も業務を把握していない
他人に相談できる“仕組み”がない
これらがそろうと、「経理が辞めた瞬間、会社が止まる」という事態に繋がります。
5. 一人経理が不安な会社が取るべき対策
ここまで読んで「うちも他人事ではないかも…」と感じた方へ。
では具体的に、一人経理体制の“危うさ”をどう解消すべきか?
ここでは、中小企業でもすぐに取り組める現実的な5つの対策をご紹介します。
① マニュアル・業務フローの“見える化”を進める
まずは、「何を、どのようにやっているのか」を紙でもデジタルでも構わないので見える形にしましょう。
毎月のルーチン業務
利用しているツール・ID・パスワード
ファイルの保存場所や命名ルール
税理士や取引先とのやりとりの記録
「他の誰かが見て分かる」ことが、属人化防止の第一歩です。
② パスワード・権限管理を“社内共有”に切り替える
銀行口座、クラウド会計、勤怠ソフトなど、すべて経理担当者が一人で握っていませんか?
ログイン情報はチームで保管(パスワード管理ツール活用)
2人以上がアクセスできる体制に
経営者も最低限の数字にはアクセスできるようにしておく
「知らない」「見られない」はリスクです。
③ 経営者が“経理の全体像”を理解する
「任せっぱなし」ではなく、「信頼して一部関与する」という姿勢に切り替えましょう。
月次報告の場を設ける
重要な数字(売上、利益、資金繰り)を定期的に把握
会社の経理全体を“見渡せる視点”をもつ
経理の見える化は、経営の精度アップにも直結します。
④ 繁忙期・緊急時に備えた“バックアップ要員”を確保
たとえば、以下のような“予備戦力”を用意しておくことも重要です。
経理の補助を担える社内スタッフの育成
税理士や社労士との連携強化
経理代行サービスのスポット利用準備
「その人が休んでも会社が止まらない」体制を持つことがリスク分散です。
⑤ 経理代行を活用して“二重化・安心化”を図る
すべてを外注しなくてもOK。
一部業務だけでも代行に切り替えることで、属人リスクは一気に減らせます。
記帳だけ、給与計算だけなどのスポット対応
マニュアル整備や体制設計のコンサルティングも可能
トラブル時には代行側が“すぐ動ける”安心感
“経理の保険”としての経理代行利用も、十分に合理的な選択です。
6. 一人経理問題の“出口”としての経理代行
「やっぱりこのままではマズい…」
「でも、人を増やす余裕はないし、外に頼むのもちょっと不安」
そんな経営者の方へ。
経理代行という選択肢は、“まるごと外注”だけではありません。
今の一人経理体制を“安全にまわす”ための部分的なサポートとして、経理代行を使う企業が増えています。
✅ 経理代行=「すべて任せる」だけじゃない
「記帳だけ」を外注して、ミスや遅延を防ぐ
「給与計算だけ」を代行して、繁忙期の負担を軽減
「月次試算表の作成」を任せて、経営判断をスピードアップ
「請求書発行・振込代行」を一時的にサポートしてもらう
など、業務の一部からでも依頼可能です。
💡 一人経理体制+経理代行=“二重化された安心”
社内に一人でも、社外にもう一人の経理パートナーがいる状態
体調不良や退職の際も、すぐに代わりが動ける仕組みを確保
必要に応じて業務を広げたり減らしたりできる柔軟性も魅力
🧑💻 中小企業で導入が進む理由
雇用コストを抑えられる(月額数万円〜)
採用・教育コストが不要
専門知識を持った担当者が対応してくれる
オンライン対応なので全国どこでも依頼可能
つまり、低リスク・低コストで高い安心を手に入れられるのが経理代行の強みです。
7. harborsの経理代行ステーションとは?
「外部の人に任せるのはちょっと不安…」
「本当にうちの業務を理解してくれるの?」
そんな声にお応えするのが、**株式会社harborsが提供する「経理代行ステーション」**です。
🌊 harborsは“あなたの会社のもう一つの経理部”
私たちは、ただの記帳代行業者ではありません。中小企業の実情を理解し、**経営者と伴走する“社外の経理チーム”**として動きます。
✨ harborsの特徴
✅ 業務範囲はフルカバー
日々の記帳、会計ソフト入力
請求書発行・管理
入出金チェック・支払処理代行
給与計算、社会保険手続きのサポート
決算資料の作成・税理士との連携
経理に関する「困った!」は、まるっとご相談いただけます。
✅ 専任担当制で“顔の見える対応”
クラウドチャットやメールでいつでもご相談OK
必要に応じてオンラインミーティングも実施
お客様ごとに専任担当がつくので、会社の状況を理解した上で対応
✅ 初期導入も安心のサポート体制
現状のヒアリング → 課題整理 → 移行スケジュール作成
既存の資料やフローをもとに**「引き継ぎ支援」も対応可能**
✅ 全国対応・オンライン完結
オフィスがなくてもOK
会計ソフトやクラウドツールを活用し、全国どこでもスムーズに対応
「横浜の会社だけど、北海道や福岡の企業とも取引中」という方にも選ばれています
📞 無料相談はこちらから
「うちの経理、相談しても大丈夫かな…?」という段階でも大歓迎です。
現状の不安や課題をお聞きし、どこから改善すべきかをご一緒に考えます。
8. まとめ:経理は“人”ではなく“仕組み”で守る時代
中小企業の経理体制は、これまで「信頼できる担当者ひとり」に支えられてきました。
でも時代は変わり、「一人で任せるリスク」が企業経営の大きな弱点になりつつあります。
💡 経理トラブルは、“まわっている今”に仕組みで備える
何かが起きてからでは、対応が遅すぎる
「まわせてはいるが、属人化している」状態が一番危険
人ではなく、“体制”と“ルール”で支える時代へ
🛠 今からできる対策を、小さく始めてみる
まずは業務の見える化
次にパスワード・情報の共有
それでも不安があるなら、経理代行という“もう一人の経理部”を検討
🚢 harborsが伴走します
経理体制の見直しや業務の整理は、ひとりでは難しいかもしれません。
でも、誰かに相談しながらなら、一歩ずつ前に進めます。
私たちharborsは、経理に悩む企業のそばで、「まわる仕組み」を一緒に作るパートナーです。
📣 ご相談はお気軽にどうぞ
✔ 経理の人が辞めそうで不安
✔ 何がどこにあるのか、自分も把握できていない
✔ この先も、ずっと一人で回し続けるのは危険かも…
そんな不安が少しでもある方は、ぜひ一度ご相談ください。
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