最近、経営者様や経理担当者様からよく耳にするのが、「現在のビジネス環境での経営の難しさ」です。そんな中で、しっかりとした経営判断を下すための手助けとして「予実管理」が注目されています。
今後のビジネス展開を考えるうえで、事前に計画を立て、それに基づいて実績を追いかけることは非常に重要です。特に中小企業の皆様にとっては、限られた資源を最大限に活用し、業績の向上を図るためのツールとして「予実管理」の理解と活用は欠かせません。
このコラムでは、予実管理の基本から、その重要性、実際の取り組み方までをわかりやすくご紹介いたします。
予実管理とは?
「予実管理」とは、文字通り「予算」と「実績」の二つの要素を中心にした管理手法です。具体的には、事業やプロジェクトの進行状況を、事前に設定した「予算(計画)」と、その期間中に実際に達成された「実績」を比較・分析することで、経営やプロジェクトの進行具合、課題や改善点を明確にし、適切な対応を行うための管理手法です。
なぜ予実管理は重要なのか?
中小企業にとって、資源は限られています。そのため、計画通りに業務を進めることは極めて重要です。予実管理を行うことで、業務の進捗や財務状況を可視化し、早期に問題点や課題を発見・対応することができます。これにより、リスクを低減し、計画通りの経営を実現するサポートとなります。
予実管理は、単なる数字の比較だけでなく、経営の方向性を確認し、必要な調整を行うための重要なツールとなります。中小企業の皆様にとって、この手法の理解と活用は、経営の効率化や安定に大きく寄与します。
予実管理の方法:ステップごとに解説
中小企業の皆様が予実管理を行う際のステップと具体的な方法を以下にまとめました。
① 明確な目標の設定
・SMART原則を活用
目標は具体的(Specific)、計測可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性がある(Relevant)、時間枠が定められている(Time-ound)であることを意識しましょう。
② 予算・計画の策定
・過去のデータを参考に
過去の売上や支出、利益等のデータを基に、今期の計画を策定します。
・部門ごとの予算分割
会社全体の予算を部門やプロジェクトごとに分割して具体的な目標を持たせます。
③ 定期的な実績の収集と分析
・適切な収集ツールの導入
会計ソフトやクラウドツールを活用し、日々の業績データを容易に収集します。
・月次・四半期の実績確認
定期的に実績を確認し、予算との差異を分析します。
④ 差異の分析
・主要因の特定
予算と実績との差異が生じた場合、原因を突き止めます。例えば、売上が予算未達の場合、販売活動の不足や市場の変動などの要因を特定します。
・予算の見直し
必要に応じて、予算を見直すことも考慮します。
⑤ フィードバックと改善策の実施
・定期的なミーティング
関連部門や担当者との定期的なミーティングを実施し、差異の原因や改善策について共有します。
・行動計画の策定
差異分析から導き出された課題に対して、具体的な行動計画を策定し実行します。
予実管理は、一度セットアップするだけでなく、継続的なモニタリングと改善が求められる活動です。中小企業の経営者様や経理担当者様は、これらの方法を参考にしながら、日々の業務に活かしていただけると幸いです。予実管理をしっかりと行うことで、経営の安定化や事業の拡大をサポートできることでしょう。
予実管理を行う上で重要なポイント
① トップダウンとボトムアップのバランス
・トップダウン
経営層が全体の方針や大まかな予算を設定。
・ボトムアップ
実際の現場や部門からの意見や情報を取り入れて、より具体的な予算策定や計画を行います。両方の視点をバランス良く取り入れることで、実現可能かつ戦略的な計画が生まれるでしょう。
② フレキシブルな計画の見直し
経営環境や市場は常に変動しています。固定的な計画に固執せず、定期的な見直しを行い、必要に応じて計画の修正や調整を行う柔軟性が求められます。
③ 明確なKPI(主要業績評価指標)の設定
予実管理の目的や成果を評価するための具体的な指標(KPI)を設定します。これにより、計画の進捗や成功の度合いを明確に把握することができます。
④ コミュニケーションの重視
予実の差異や問題点を早期に発見し、適切な対応を行うためには、関連部門や担当者との定期的なコミュニケーションが不可欠です。
⑤ 適切なツールの活用
予実管理に関するデータの収集、分析、報告など、効率的に業務を進めるための適切なツールやシステムを導入することが重要です。
⑥ 従業員の教育とモチベーション
予実管理は全従業員の協力が必要です。そのため、目的や方法を明確に共有し、従業員の理解とモチベーション向上を図る取り組みが求められます。
予実管理を成功させるためには、上記のポイントをしっかりと理解し、日々の業務に取り入れることが大切です。中小企業の皆様がこれらのポイントを活用し、より効果的な予実管理を実践されることを心から願っております。
予実管理を行う上で失敗しやすいポイント
予実管理は非常に重要な経営ツールであり、効果的に行うことが求められますが、実際に進める上で様々なミスや誤解が生じることがあります。ここでは、予実管理を行う上で失敗しやすいポイントを挙げ、その対策についても解説いたします。
① 実現性のない目標設定
野心的すぎる、あるいは現実的でない目標を設定することは、従業員のモチベーションを低下させる原因となります。
対策:過去の実績や現場の声をしっかりと取り入れながら、実現可能な目標を設定しましょう。
② コミュニケーション不足
部門間、または経営層と現場とのコミュニケーション不足は、誤解や情報の遅延を招きます。
対策:定期的なミーティングの実施や報告書の活用など、情報の透明性を保つ仕組み作りが必要です。
③ ツールの不適切な利用
古いソフトウェアやツールの活用、またはツールを適切に活用できていない場合、効率的な予実管理が難しくなります。
対策:最新のツールの導入や、従業員への適切な研修を実施しましょう。
④ 継続的な見直しの欠如
一度作成した計画に固執し、市場や経営環境の変化に柔軟に対応しないことは、計画の逸脱を引き起こします。
対策:定期的な見直しを行い、変化に対応する柔軟な計画作りを心がけましょう。
⑤ 従業員の理解不足
予実管理の目的や重要性を十分に理解していない従業員は、その取り組みを半ばで放棄してしまうことがあります。
対策:予実管理の意義や方法をしっかりと教育し、全員が同じ方向を向く組織作りを目指しましょう。
予実管理は、計画的な経営をサポートする重要なツールです。しかし、上記のようなポイントを疎かにすると、その効果を十分に引き出すことができません。失敗しやすいポイントを常に意識し、その対策を実施することで、より効果的な予実管理を行うことができるでしょう。
東京・横浜 経理代行ステーションをお勧めしたい理由
① 経験豊富な専門家によるサポート
当ステーションには、多数の経験豊富な経理の専門家が在籍しています。彼らのノウハウと経験を活かすことで、予実管理の設定から実行、改善までを的確にサポートいたします。
② 東京・横浜エリアのビジネス環境に精通
当地域の産業やビジネスの特性、市場動向を深く理解しているため、地域に適した予実管理の提案が可能です。
③ 最新の経理ツールの提供とサポート
経理代行サービスとして、最新の経理・会計ツールを提供。これにより、予実データの収集や分析がよりスムーズに行えます。
④ コストパフォーマンスの優れたサービス
経理業務を外部に委託することで、社内の人的リソースを有効に活用できます。また、専門的なサービスをリーズナブルな価格で提供するため、コスト面での負担も軽減されます。
⑤ 経営者や経理担当者との密接なコミュニケーション
お客様のビジネスに寄り添い、定期的なミーティングやレポートにより、予実管理の状況や課題を透明に共有します。これにより、迅速な意思決定や改善が可能となります。
「東京・横浜 経理代行ステーション」を活用することで、予実管理の品質や効果を高めることができるでしょう。特に中小企業の経営者様や経理担当者様が日々の業務の中で予実管理に十分な時間を割けない場合や、専門的なノウハウが不足している場合には、是非とも当ステーションのサービスをご検討いただきたく存じます。
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