経理代行の「安い」には裏がある?失敗しないための相場と比較のコツ
- 恵 菅原
- 9月30日
- 読了時間: 11分
はじめに

「経理代行をお願いしたいけれど、とにかく安いところに頼みたい」
そんなふうに考えて検索されている方も多いのではないでしょうか。
創業したばかりの個人事業主や、まだ社員数の少ない小規模法人にとって、経理の外注費用はできるだけ抑えたいところ。
実際、経理代行サービスは「月1万円から」という格安プランを打ち出している会社もあり、費用面だけを見ると大きな差があります。
しかし、「安さ」だけで判断してしまうのは危険です。
対応範囲が限定的で結局追加料金が発生したり、サポート体制が不十分でトラブルになったりするケースも少なくありません。
この記事では、経理代行サービスの料金相場をわかりやすく整理したうえで、安いプランでできること・できないこと、そして「安さと安心を両立するための選び方」をご紹介します。
コストを抑えつつも安心して任せられる経理代行を見つけるための参考にしてくださいね。
第1章 経理代行サービスの料金相場
経理代行の料金は「どこまで任せるか」によって大きく変わります。
まずは一般的な相場感を押さえておきましょう。
💰 経理代行の主な料金相場(月額)
記帳代行のみ:月額 1〜3万円程度
└ 領収書や請求書を預かり、仕訳・入力を代行するシンプルなサービス
給与計算や請求管理を含む場合:月額 3〜5万円程度
└ 従業員の給与計算、請求書の発行や入金管理などを追加
幅広い経理業務+月次レポートや経営分析まで:月額 5〜10万円以上
└ 管理会計的な業務や、経営者向けのレポート作成まで含む
📊 料金に影響する要素
経理代行の料金は、単純な「作業量」だけでなく、以下のような要素によっても左右されます。
仕訳件数 入力する領収書や請求書の数が多いほど料金は上がる。
従業員数 給与計算の対象人数によって費用が変わる。
サービス範囲 単純な記帳だけなのか、請求管理・給与計算・年末調整などまで含むのか。
初期費用の有無 契約開始時にシステム設定や業務フロー構築のため、数万円の初期費用が発生するケースもある。
たとえば、「毎月30仕訳くらい」「従業員なし」「請求書の発行もお願いしたい」という個人事業主であれば、月2〜3万円前後のケースが多い印象です。
「えっ、そんなにかかるの?」と思った方もいるかもしれません。
でも実は、“安いプラン”には理由があるんです。
次章では、「安い経理代行プランで実際にやってもらえること・もらえないこと」を詳しく見ていきましょう。
第2章 安い経理代行で対応してもらえる範囲とは?
「月額1万円から」といったリーズナブルな経理代行のプランは、たしかに魅力的です。
ですが、その金額でどこまでの業務を代行してもらえるのかは、事前にしっかり確認しておく必要があります。
安いプランだからといって「なんでもやってくれる」と思い込んでしまうと、後から「えっ、それは別料金なんですか?」ということになりかねません。
✅ 安いプランでよく対応してもらえる業務
以下は、比較的安価なプランでも対応してもらえることが多い業務です。
記帳代行(仕訳入力)
領収書、請求書、通帳コピーなどをもとに、会計ソフトへ仕訳入力。
月次試算表の作成
経営状況をざっくり把握できる試算表の作成(フォーマットは簡易なことも)
データの定期提出
まとめた仕訳データを毎月PDFやCSVで送ってくれるサービスもあります。
このように、「日々の入力業務だけ任せたい」という方には、安いプランでも十分に役立つケースがあります。
❌ 安いプランでは対応外になりやすい業務
一方で、以下のような業務は安価なプランではカバーされていないことがほとんどです。
給与計算や年末調整
社員やパートがいる場合には、給与の計算や源泉徴収票の発行が必要になりますが、これは別料金での対応が一般的。
請求書の発行・売掛金の管理
「売上請求書の作成・送付」や「入金の消し込み」は、基本プランには含まれないことが多いです。
支払い代行(振込作業など)
ネットバンキングでの振込設定などは、安全面からも対象外としている代行会社がほとんどです。
税務申告・決算対応
これは税理士の業務にあたるため、経理代行会社単体では対応できません。別途、税理士と契約が必要になります。
💡「安いけど十分」か「安いけど足りない」かを見極めよう
安価な経理代行サービスは、「自分でやるには手間がかかるけど、税理士にお願いするほどではない」というニーズにはとてもマッチします。
特に、個人事業主や小規模法人で「記帳だけお願いしたい」というケースでは、コスパが非常に高い選択肢になります。
ただし、請求書の発行や給与計算、決算申告までを希望する場合は、安いプランではまかないきれない可能性があります。
「費用は抑えたいけど、きちんと対応してもらいたい」
そんな方は、次章の「安いサービスを選ぶときの注意点」もぜひご覧ください。
安さの裏にある落とし穴と、選ぶ際に気をつけたいポイントをまとめていきます。
第3章 安いサービスを選ぶときの注意点
経理代行サービスを比較していると、「月額1万円以下」「業界最安値」など、インパクトのある言葉が目に入ってきます。
確かにコスト面で魅力的に感じるかもしれませんが、「安い」という理由だけで選んでしまうと、後々思わぬ落とし穴にはまってしまうことも。
ここでは、実際によくあるトラブルや注意点をまとめてご紹介します。
⚠️ よくある注意点①:思っていたより“対応範囲”が狭い
最も多いのが、「この金額でこれもやってもらえると思っていたのに……」というケース。
たとえば、請求書発行や給与計算、年末調整などが別料金で、最終的にトータルコストが高くつくことがあります。
✅ 対応範囲は事前に明確に確認するのが大切です。
⚠️ よくある注意点②:コミュニケーションやサポートが不安定
格安サービスの中には、対応がメールのみ・返信に数日かかるなど、サポート面が弱いところもあります。
特に、経理は「ちょっとした確認をすぐしたい」場面が多いため、対応スピードや連絡手段はとても重要です。
✅ チャットや電話でやり取りできるか、担当者制かどうかも確認を。
⚠️ よくある注意点③:担当者の質・経験にばらつきがある
料金を抑えている分、実務経験が浅いスタッフが対応していることも。
仕訳ミスや計上漏れがあっても気づかれないまま決算期を迎えてしまうリスクもあります。
✅ 経理経験者が対応しているか、チェック体制があるかを見ておきましょう。
⚠️ よくある注意点④:セキュリティ体制が不透明
経理業務では、会社の売上や取引先情報、給与データなど、重要な情報を扱います。
安さを重視しすぎるあまり、セキュリティ対策が不十分な業者を選んでしまうと、情報漏えいのリスクもゼロではありません。
✅ クラウド環境での管理状況、アクセス制限の有無などを確認しておきましょう。
⚠️ よくある注意点⑤:税務申告は結局、税理士に頼まなければならない
「経理代行=すべて任せられる」と思われがちですが、税務署への申告・決算書の作成は、税理士資格がないと対応できません。
そのため、別途で税理士との契約が必要になり、「思っていたより手間とコストが増えた」と感じる方も多いのです。
💡 安さだけでなく「安心感」も基準に
経理業務は、会社のお金を守る大事な領域。
「価格」だけでなく、「対応の質」や「体制の整備」など、トータルの安心感を持って任せられるかどうかを見極めることが重要です。
第4章 安さと安心を両立させる選び方
「できるだけコストは抑えたい、でも安心して任せられる業者がいい」
多くの方がそう考えるはずです。
ここでは、“安さだけ”に振り切らずに、安心感も確保するための選び方のポイントを解説します。
少しでも不安のない経理パートナーを選ぶために、ぜひ参考にしてください。
✅ 1. 「料金」と「対応範囲」をセットで確認する
まず確認すべきは、「この料金でどこまで対応してくれるか」。安く見えるプランも、実は記帳だけしか対応しておらず、請求書発行や給与計算はすべてオプション対応というケースも珍しくありません。
💡 見積もりをとる際は、「自社に必要な業務を全部依頼したらいくらになるか」で比較するのがコツです。
✅ 2. 担当者の有無や対応方法をチェックする
経理は細かいやり取りが発生しやすい業務です。
「担当者制かどうか」「連絡手段は何か(電話/メール/チャットなど)」「どれくらいのレスポンススピードか」なども、ストレスなく依頼を続けるためには重要なポイント。
💡 「何かあったときにすぐ相談できるか?」という視点で見てみましょう。
✅ 3. セキュリティやデータ管理の体制を確認する
経理データには、顧客情報・売上・給与など、機密性の高い情報が詰まっています。
「どんなクラウドサービスを使っているか」「アクセス制限はどうなっているか」「バックアップ体制はあるか」など、情報の安全性を守る体制があるかは、安さ以上に大切です。
💡「安かろう悪かろう」にならないためにも、セキュリティ対策の説明がしっかりあるか要確認。
✅ 4. 税理士と連携できる体制かどうか
記帳や給与計算だけでなく、決算や確定申告まで見据えるなら、「税理士と連携している経理代行サービス」を選ぶのが安心です。
別途で税理士を探して契約する手間が省けますし、会計処理のミスも少なくなります。
💡 税理士法人が運営している経理代行サービスなら、最初からワンストップで依頼できるケースもあります。
✅ 5. まずは無料相談を利用してみる
信頼できるかどうかを見極めるためには、実際に話してみるのが一番早いです。
どんな対応をしてくれるのか、サービスの説明に納得できるか、相性が良いか。
いきなり契約せずに、無料相談やお試し利用ができるサービスを活用しましょう。
💡 Harborsの経理代行ステーションでは、無料相談も受付中です!
第5章 コストパフォーマンスの高い経理代行とは?
ここまでの章で、「安い=良い」とは限らないこと、そして安さだけで選ぶリスクについてご紹介してきました。
それでもやっぱり、“できるだけコストは抑えつつ、質の高いサービスを受けたい”というのが本音ですよね。
この章では、単なる「安さ」ではなく、長い目で見て本当に価値のある経理代行=“コスパの高い経理代行”とは何かを見ていきましょう。
✅ 1. 必要な業務を必要なだけ、無駄なく頼める
「安いけど対応範囲が狭すぎて、結局あれこれ追加料金がかかる」
という状況では、結果的に“高くつく”ことも。
一方でコストパフォーマンスの高い業者は、業務内容がパッケージ化されていて、わかりやすい料金設計になっていることが多いです。
💡「自分に必要な業務が、この料金内でカバーされているか?」をチェックしましょう。
✅ 2. 経理以外のサポートも受けられる
記帳や給与計算だけでなく、経営アドバイスや資金繰りの相談にのってくれるような業者は、長期的に見て大きなメリットになります。
たとえば、
売上の傾向から節税アドバイスをしてくれる
資金調達や補助金についても相談できる
といった「+αの知見」がある業者なら、経理代行を超えた価値が得られるでしょう。
✅ 3. ミスが少なく、業務がスムーズに進む
どれだけ安くても、仕訳ミスや対応漏れが頻発すると、社内のチェックや修正に余計な時間がかかってしまいます。
「業務の質の高さ」も、実はコスパを左右する大きな要素です。
💡定期的なレビュー体制や、担当者の経験・資格の有無にも注目しましょう。
✅ 4. 税理士と一体型のサービスである
決算や申告まで含めて考えると、「税理士と別契約」よりも、税理士と連携した経理代行、または税理士が運営している経理代行のほうが断然スムーズです。
余計な引き継ぎが不要で、情報の抜け漏れやミスも防げます。
💡harborsの「経理代行ステーション」は、税理士が運営しているため、日常の経理から申告業務まで一貫して対応可能です。
✅ 5. コスト削減以上の「効果」が得られる
本当に価値ある経理代行は、単なる外注ではなく、経営の味方になってくれる存在です。
数字がリアルタイムで把握できるようになった
決算前に節税対策ができた
経営判断が早くなった
など、“時間とお金の両方を生み出してくれる”サービスこそ、真の意味での「コスパが良い」経理代行といえます。
まとめ|“安さ”の先にある、安心と効果を見据えて
「経理代行を安くお願いしたい」
これは多くの個人事業主や中小企業の経営者にとって、当然の願いです。
ただし、安さだけを優先してしまうと、対応範囲の狭さや追加費用、品質のバラつきなどで、結果的に後悔してしまうことも。
だからこそ、「料金」と「対応内容」のバランス、そして「サポート体制」や「セキュリティ」、「税理士との連携」など、安心して任せられるかどうかも含めて判断することが大切です。
✔ 記帳だけなら安く依頼できることも多い
✔ でも「請求書管理」や「給与計算」は別料金なことがほとんど
✔ コストを抑えつつ、信頼できるパートナーを選ぶには比較が大事
harborsの「経理代行ステーション」では、
記帳代行はもちろん、給与計算や請求管理、さらに税理士による決算・申告対応まで、ワンストップで対応可能です。
「この業務って依頼できるの?」
「うちの規模でも頼んで大丈夫?」
そんな疑問があれば、まずはお気軽にご相談ください。
あなたの経理の悩みを、"コスパ良く"、でも"きちんと安心して"任せられる方法を一緒に考えさせていただきます。
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